論理パラドクスは、お勧めである。
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アマゾンで低評価なのが理解できない。
答88の理想的行為の説明に違和感がある。問88について、(人数差と行為の有無の区別をなくし)より本質的にするために次のように変えてみる。

医師の問題
状況:患者Aから臓器移植を行い患者Bを助ける。当初、患者Aの生存に疑問の余地はなかったが、
臓器摘出後、不測の事態でそのままでは、患者Aが死亡することが判明。両方助けることは不可能。
方法1) 臓器を移植し患者Bを助け、患者Aを死なす。
方法2) 臓器を戻し患者Aを助け、患者Bを死なす。
方法3) 何もせず、両方死なせる。
運転士の問題
状況:書籍にほぼ同じ。
方法1) ボタンAを押し、作業員Bを避け、作業員Aを死なす。
方法2) ボタンBを押し、作業員Aを避け、作業員Bを死なす。
方法3) 何もせず、両方死なせる。

なお、方法3は、方法1と2の区別を無くすために用意されており、その選択の是非はここでは問わず、方法1か方法2の2択のみ考える。

この場合、医師の問題と運転士の問題は同じ問題であり、両者ともどちらを選んでも責められない。
しかし、最初から患者Aの臓器を摘出するとAが亡くなると医師が知っていた場合、書籍と同じく医師は責められることになる。
この2つの場合の医師の理想的行為は同じであるため、理想的行為かどうかは説明にならない。

単純に運転士が責められないのは(緊急避難により)法律を犯していないためであり、医師が臓器移植をして責められるのは、(殺人により)法律を犯しているからであろう。
法律以外の(例えば倫理など)の要素については、正解はないのではないだろうか。

問26同一人物であることの答の最後も違和感がある。
問50影のパラドクスの答でユニットをあげているが、光源Xに対する影Yの主体は、「XとYの間に存在する物体の集合の空でない部分集合の集まり」と考えることもできる。